群発頭痛とは、ある期間に集中して起こる頭痛で、20~40代の男性に多く、「目の奥をえぐられるような痛さ」「キリで刺されるような痛さ」「自殺したくなるような痛さ」と言われています。
しかし、いまだに群発頭痛についての情報は少ない現状があります。
目次
群発頭痛とはどんな頭痛なのか?
先読みポイント!
群発頭痛は別名「自殺頭痛」といわれるほど強烈な痛みがある
一定期間、毎日決まった時間に頭痛に襲われる
群発頭痛の診断は国際頭痛分類の診断基準で決められています。
- 2~4をみたす発作が 5回以上ある
- 未治療の場合、重度~きわめて重度の一側の痛みが眼窩部、眼窩上部または側頭部のいずれか1つ以上の部位に、15~180分間持続する
- 以下の1項目以上を認める
- 頭痛と同側に少なくとも以下の症状あるいは徴候の1項目を伴う
- a) 結膜充血または流涙(あるいはその両方)
- b) 鼻閉または鼻漏(あるいはその両方)
- c) 眼瞼浮腫
- d) 前額部および顔面の発汗
- e) 前額部および顔面の紅潮
- f) 耳閉感
- g) 縮瞳または眼瞼下垂(あるいはその両方)
- 落ち着きのない、あるいは興奮した様子
- 発作時期の半分以上においては、発作頻度は 1回/ 2日~ 8回/ 1日である
- ほかに最適な ICHD-3 の診断がない
引用元:日本頭痛学会「P28-30 , 3.群発頭痛およびその他の三叉神経・自律神経性頭痛 , 国際頭痛分類第3版beta版 , 医学書院 , 2014.」より
群発頭痛は片頭痛や緊張型頭痛と比べて患者数が少なく、認知度も少ないため情報も少ないことから、聞きなれない人も多いかもしれません。
群発頭痛の特徴
群発頭痛を発症すると、一定期間毎日ほぼ決まった時間に頭痛が発生します。
そしてそれが1ヶ月から1年続き(個人差あり)、また半年から数年経過した後に繰り返すと言う特徴があります。
その痛みは、「目の奥をえぐられるような痛さ」「キリで刺されるような痛さ」「自殺したくなるような痛さ」とも言われ、あまりの痛みにじっとしていることができず、動き回ったり、のたうち回るなど、ひどい人では壁に頭を打ち付けるときもあります。
このことから、別名:自殺頭痛ともいわれています。
反復性群発頭痛
群発頭痛発作が7日~1年間続く群発期があり、群発期と群発期の間には少なくとも1ヶ月の寛解期(頭痛のない時期)がある。
慢性群発頭痛
群発頭痛発作が1年間を超えて発現し、寛解期がないか、または寛解期があっても1ヶ月未満である。
群発頭痛の主な症状
群発頭痛の主な症状は以下の通りです。
<どんな痛みか>
・目の奥をスプーンでえぐられるような痛さ
・キリで刺されるような痛さ
・自殺したくなるような痛さ
<どこが痛むか>
・必ず片側のどちらかの目の奥
・片側だけの目の奥や周囲にあらわれ、上あごのあたりや頭の片側へと拡がる
<頭痛の頻度>
1ヶ月から2ヶ月、毎日決まった時間に1~数回
<痛み以外の症状>
・目の充血、涙、チカチカする
・鼻水
群発頭痛が起こる原因
先読みポイント!
群発頭痛の原因は正確に解明されていない
アルコール摂取が群発頭痛発生時の誘発原因になっている
今の段階で、群発頭痛が起こる原因(メカニズム)は正確には解明されておらず、ホルモン説、体内時計の狂い、遺伝子説やなど様々な説があります。
群発頭痛が睡眠中の毎日決まった時刻に起こりやすいことから、脳の視床下部に存在する体内時計の狂いにより起こるとの説も関連があるのではないかと考えられます(欧米の研究で睡眠に関連した遺伝子の異常も報告されています)。
また、群発頭痛は春先や秋口あるいは年末になど季節の変わり目に多いことから、水痘ウイルスと群発頭痛との関連を指摘する説があります(小児期の水痘感染後、顔面や頭部に分布する三叉神経の神経節にウイルスが潜在し、季節の変わり目などに活性化すると帯状疱疹を発症します)。
群発頭痛の激烈な痛みは、目の奥にある海綿静脈洞(脳に血液を送る内頚動脈と呼ばれる大切な血管を保護するクッションのような役目をしている)と呼ばれる細かい静脈のネットワークが異常に腫れることにより起こるとされていますが、いろいろな要因によりこの異常な腫れが引き起こされるのではないかとも考えられます。
群発頭痛の患者さんが発作時にのた打ち回って暴れることが多いのは、頭部を激しく動かすことでこの静脈洞にたまった血液が分散して腫れが引き痛みが和らぐためではないかとも考えられています。
ただ、発生時期にアルコールを摂取(飲酒)することが群発頭痛を引き起こすきっかけになると言うことは確定していると言っても過言ではないので、群発頭痛を発症している時期には飲酒を控えることをおすすめします。
またタバコも同じように、群発頭痛を引き起こす要因となることも言われています。
群発頭痛の治療方法
先読みポイント!
群発頭痛の治療法(痛みの軽減)には、薬物療法と純酸素吸入療法の2つがある
それぞれ効果は大きいがデメリットや問題点もあるので注意が必要
群発頭痛の治療法には、薬物療法と純酸素吸入療法の2つがあります。
薬物療法
群発頭痛が発生したとき(急性期)の治療薬としては、トリプタン系薬剤で効果が認められているものがあります。
また、一時的ではありますが、成分にリドカインが含まれる点鼻薬も効果があると言われています(私はあまり実感できませんでした)。
薬物療法で最も知られているのがイミグラン皮下注射ですが、注射をして15分ほどで効果が出る反面、使いすぎると効果が薄れたり頭痛回数が増えるなどの声も多く聞きますので注意が必要です。
純酸素吸入療法
純酸素吸入法は、医療用の純度100%の酸素をフェイスマスクを通して毎分7リットルを15分吸入する治療法で、大抵は酸素を吸入して5分ほどで痛みは軽くなってきます。
発作が起こったら、できるだけ早く行うと、より効果的です。
この治療に使う酸素ボンベには医師の処方箋が必要ですが、そもそもこの処方箋をなかなか出してくれない、使用に手間がかかるなどの問題もあります。
市販の酸素ボンベは効果がないとされていますが、「効果があった」と言う人もいますので個人差があるようです(私にはさほど効果が感じられませんでした)。
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市販の酸素ボンベの群発頭痛に対する効果の検証
「自殺したくなるほどツライ」と言われる群発頭痛ですが、その原因や治療法はまだ解明されていません。 一 ...
薬物以外の治療法
薬物療法の無効例では、痛みの伝達を遮断する神経ブロック療法(三叉神経ブロック、星状神経節ブロック、翼口蓋神経節ブロック、大後頭神経ブロック)、三叉神経根切除、翼口蓋神経節切除が行われることがあります。
ガンマナイフ治療(放射線ビームを神経に照射する)、脳深部刺激療法(磁気的刺激を与える)も行われていますが、効果は確立されていません。
群発頭痛の予防法
先読みポイント!
群発頭痛の予防法として、カルシウム拮抗薬やエルゴタミン製剤・トリプタン系薬剤があげられます
群発頭痛の発生時には飲酒やたばこを控えることが予防に繋がる
『ずきしらずの実』も実感できる可能性がある
群発頭痛の予防法としては、カルシウム拮抗薬(ベラパミル 360mg/ 日)が、プラセボ対照ランダム化二重盲検試験で効果が確認されていますが、心伝導遅延作用による徐脈や心不全の合併が問題となっています(2011年9月より適用外使用が認められています)。
また、発作期間中、就寝前にエルゴタミン製剤やトリプタン系薬剤を飲むことで睡眠中の頭痛を予防できる場合があります。
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イミグラン皮下注射の群発頭痛に対する効果と注意点
群発頭痛の痛みは、別名「自殺頭痛」と言われるほど強烈なもので、世界三大激痛の1つとも言われています。 ...
発生時期を乗り越えれば、飲酒やタバコも群発頭痛を引き起こすことがなくなりますので、この数ヶ月は控えるようにしましょう。
最後に、私が実際に試して良かったと感じたサプリをランキングでご紹介しますのでご覧ください。
「まだサプリメントは試したことがない!」と言う方は、ぜひ参考にしてみてください。